赤字決算でも税金はかかる?会社が知っておきたい税金の基本

会社の決算を考えるとき、利益が出ているか、赤字になっているかは大きなポイントのひとつです。

ただ、税金については、決算書上の黒字・赤字だけで決まるわけではありません。

法人税は基本的に会社の「所得」に対してかかる税金ですが、赤字決算であっても、支払いが発生する税金があります。

今回は、赤字決算の場合でも支払いが発生することのある代表的な税金について、創業期の会社が知っておきたいポイントを整理します。

「決算書が赤字=法人税ゼロ」とは限らない

まず知っておきたいのが、決算書に記載される利益と、法人税を計算するときの「所得」は必ずしも同じではないということです。

法人税の所得は、会計上の利益や損失をもとに、税務上必要な調整を加えて計算します。

たとえば、会計上は費用として計上していても、税務上はその全額または一部を損金として扱えないものがあります。

このような項目がある場合、決算書上では赤字でも、税務上の計算をした結果、所得が発生するケースがあります。

つまり、決算書上の赤字と、税務上の赤字は必ずしも同じではありません。

決算書だけを見て法人税の有無を判断するのではなく、税務上の調整を反映したうえで考える必要があります。

そして、税務上も赤字であったとしても、別の税金の支払いが発生することがあります。

赤字でもかかる「法人住民税の均等割」

代表的なのが、法人住民税の「均等割」です。

法人住民税には、法人税額をもとに計算する「法人税割」と、会社の規模などに応じて負担する「均等割」があります。

この均等割は、会社が赤字か黒字かにかかわらず課税されます。

均等割の金額は、資本金等の額や従業者数、事務所の所在地などによって異なります。

たとえば、東京都23区内の一つの特別区のみに事務所等を有し、資本金等の額が1,000万円以下、従業者数が50人以下の法人の場合、均等割の年額は7万円です。

なお、事務所等を有していた期間が1年に満たない場合は、その月数に応じて計算されます。

このように、所得の金額とは別に負担する税金があるため、赤字決算であっても納付が必要になることがあります。

消費税は、赤字・黒字とは別に考える

もうひとつ注意したいのが消費税です。

消費税は、会社の「利益」に対してかかる税金ではありません。

原則的な計算では、課税売上げにかかる消費税額から、仕入税額控除の対象となる消費税額を差し引いて納付税額を計算します。

そのため、会社の決算が赤字だったとしても、課税事業者であれば消費税の納付が発生することがあります。

たとえば、人件費など消費税の仕入税額控除の対象とならない支出の負担が大きく、会計上は利益が出ていない場合でも、消費税の計算上は納付額が生じるケースがあります。

つまり、赤字・黒字という決算上の結果だけでは、消費税の納付があるかどうかは判断できません。

会社の損益と消費税の納付額は、分けて考える必要があります。

納税も、資金繰りの一部として考える

会社の資金繰りを考えるうえで、利益の状況を把握することはもちろん大切です。

ただ、実際に会社から出ていくお金は、利益の額だけでは決まりません。

法人住民税の均等割のように赤字でも発生するものがあり、消費税のように利益とは別の仕組みで計算される税金もあります。

特に創業間もない時期は、売上や経費の動きが安定していなかったり、設備投資などまとまった支出が重なったりすることもあります。

決算書上の損益だけではなく、実際にいつ・どのくらいのお金が出ていくのかまで見ておくことが、資金繰りを考えるうえでは重要です。

そのため、決算に伴う納税も含めて、あらかじめ資金繰りに織り込んでおくことが大切です。

かさまつ会計事務所では、創業期の会社の税務・会計に関するご相談を承っています。

「今期の税金はいくらくらいになりそう?」「決算に向けて何を準備すればいい?」といったご相談も、お気軽にお問い合わせください。

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