こんにちは、かさまつ会計事務所です。
前回のブログでは、創業融資を検討するタイミングについてお伝えしました。
創業融資は、「お金が足りなくなってから」慌てて考えるよりも、起業前や創業直後の段階で、事業計画や資金計画とあわせて準備しておくことが大切です。
では、実際に創業融資を申し込むとき、金融機関はどのような点を見ているのでしょうか。
今回は、創業融資を検討する際に整理しておきたいポイントと、事前に準備しておきたいことをお伝えします。
整理しておきたいポイント6つ
目次
① 事業内容と創業者の経験が分かりやすく説明できるか
創業融資では、まず「どのような事業を始めるのか」が見られます。
あわせて、その事業を始める方が、これまでどのような経験をしてきたのか、その経験や強みを事業にどう活かせるのかも大切なポイントになります。
金融機関の担当者は、必ずしもその業界の専門家ではありません。
そのため、専門用語を多く使うよりも、初めて聞く人にも伝わるように、事業内容や創業に至った背景を分かりやすく整理しておくことが大切です。
たとえば、次のような点を説明できるようにしておきましょう。
・何を、誰に提供する事業なのか
・なぜその事業を始めるのか
・これまでの経験や強みをどう活かせるのか
・どのように売上を作っていくのか
「なんとなく始めたい」ではなく、これまでの経験や準備してきたことと結びつけて説明できると、事業計画にも説得力が出てきます。
たとえば、同じ飲食店を始める場合でも、飲食店での勤務経験がある方、店長として売上管理やスタッフ管理をしていた方、すでに仕入先や見込み客とのつながりがある方では、事業計画の伝わり方が変わってきます。
自分の経歴をただ並べるのではなく、「その経験が、これから始める事業にどうつながるのか」を整理しておきましょう。
② 自己資金をどれくらい準備できているか
創業融資では、自己資金も重要なポイントの一つです。
自己資金の考え方は、制度や事業内容、借入希望額によって異なります。
ただし、自己資金があることは、創業に向けて計画的に準備してきたことを示す材料になります。
たとえば、毎月の給与から少しずつ貯めてきた預金などは、準備の過程が通帳から確認しやすく、計画性が伝わりやすい資金です。
一方で、融資の直前にまとまった入金がある場合は、その資金の出所について確認されることがあります。
親族から支援を受ける場合も、振込履歴や贈与契約書など、返済義務のない資金であることが分かる資料を残しておくと安心です。
③ 借入希望額に根拠があるか
創業融資では、「いくら借りたいか」だけでなく、「なぜその金額が必要なのか」が見られます。
たとえば、
「とりあえず多めに借りたい」
「なんとなく1,000万円くらい必要そう」
という説明では、金融機関も判断しづらくなってしまいます。
借入希望額は、主に次の2つに分けて整理します。
| 資金の種類 | 主な内容 | 準備しておきたい資料 |
|---|---|---|
| 設備資金 | 店舗や事務所の内装工事、車両、PC、 機械、敷金・保証金など、 開業時にまとまって必要になるお金 |
見積書、契約書、請求書など |
| 運転資金 | 仕入代金、家賃、人件費、 広告宣伝費など、 事業を続けていくために必要なお金 |
資金繰り表、月々の支払い予定が分かる資料など |
創業直後は、売上が安定するまでに時間がかかることもあります。
そのため、数か月分の支払いを見込んで、資金繰りを考えておくことが大切です。
なお、個人事業主の場合は、事業資金だけでなく、創業直後の生活費も別途見込んでおく必要があります。
事業用資金と生活費を分けて考えることが大切です。
設備にお金をかけすぎて、開業後の運転資金が不足してしまうケースもあります。
開業時に何へいくら使うのか、開業後に毎月どれくらいのお金が出ていくのかを、事前に整理しておきましょう。
④ 売上計画に無理がないか
創業計画書では、売上の見込みも重要です。
ただし、融資を受けたいからといって、現実離れした高い売上計画を作ればよいわけではありません。
大切なのは、数字に根拠があることです。
たとえば、売上は次のように分解して考えることができます。
・客単価はいくらか
・1日に何人、または何件の利用を見込むのか
・月に何日営業するのか
・どのような方法で集客するのか
・すでに見込み客や取引先があるのか
飲食店や美容室などであれば、席数や営業時間から見て無理のない数字かどうかも確認しておきたいところです。
また、過去の勤務経験、既存の人脈、見込み客、地域の需要などをもとに説明できると、計画の現実味が増します。
⑤ 返済できる見通しがあるか
融資は、借りて終わりではありません。
開業後、毎月返済していく必要があります。
そのため金融機関は、「この事業で返済を続けていけるか」という点を見ています。
確認しておきたいのは、次のような点です。
・毎月の返済額はいくらになるか
・売上から経費を引いたあと、返済に回せるお金が残るか
・返済後も、事業を続けるための現金が残るか
利益が出ていても、売上の入金より先に仕入れや家賃、人件費の支払いが発生することがあります。
帳簿上は黒字でも、手元のお金が不足してしまうこともあるため、創業時には資金繰りの確認がとても大切です。
数か月から1年程度の資金繰り表を作っておくと、無理のない借入額や返済計画を考えやすくなります。
⑥ 税金・社会保険料・信用情報に不安がないか
事業計画の内容だけでなく、創業者個人の支払い状況が確認されることもあります。
たとえば、次のような点です。
・税金の未納や滞納がないか
・社会保険料の未納がないか
・家賃や公共料金、携帯料金などの支払いに遅れがないか
・クレジットカードやローンの返済に長期の延滞がないか
税金や社会保険料に未納がある場合、融資の審査に影響する可能性があります。
もし不安がある場合は、融資を申し込む前に状況を確認し、必要に応じて整理しておくことが大切です。
信用情報についても、過去の延滞が気になる場合は、事前に信用情報機関で確認しておくと安心です。
まとめ
創業融資の準備は、単に書類を整えるための作業ではありません。
事業内容、自己資金、必要資金、売上計画、返済計画を整理することは、これから始める事業を本当に続けていけるかを確認する大切なプロセスです。
創業前や創業直後の段階で資金計画を立てておくことで、開業後の不安を減らし、事業を落ち着いてスタートしやすくなります。
「どれくらい借りればよいか分からない」
「創業計画書の数字をどう作ればよいか不安」
「自己資金や資金繰りについて相談したい」
このようなお悩みがありましたら、かさまつ会計事務所へお気軽にご相談ください。
当事務所では、創業融資のご相談だけでなく、開業後の税務・会計・資金繰りまで、創業期の事業を継続的にサポートしています。
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